高齢者福祉

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2010年03月14日

■ 霊感

看護師という人種には、いわゆる「霊感が強い」と自称する輩が多い。
曰く、「あの病室はね...感じるよ」と、その特別な感覚を夜勤の相方に披露したりするものだから、臆病な相方は震え上がる。

そういう会話を聞いていると、正直言って羨ましいなぁと思う。
自分にはいわゆる「霊感」というものがまったく備わっていないらしい。
過去一度たりとも、そういった「この世のものではない存在」に出くわしたことも、感じたこともない。

いつも笑顔を絶やさなかったあのおばあちゃんや、付き添いの奥様に手を握られながら、幼ささえ感じられる寝顔を浮かべていたあのおじいちゃんも、この世と決別してしまった瞬間から、自分のところには現れてはくれない。
死は、生者にたくさんの思い出を残して、永遠の別れを告げる。

父が亡くなってから数年が経過して、悲しみはずいぶんと薄れたように思う。
毎日の生活の中で、父の面影を思い起こす機会も減った。

でも時々、父の声を思い出すとき、表情を思い出すとき、ああ、もう決して話すことはできないんだな、と心が塞ぐ。
自分に霊感と呼ばれる感覚が備わっていたなら、ともするともう一度父と会話することもできたのかな。

死の直前の数日間、父の意識は混濁していた。
父は別れの挨拶もなしに逝ってしまった。
父が最後に発した言葉は何だっただろう?
父が最後に言いたかった言葉は、何だったのだろう?

「霊感が強い」と自称する人たちが嬉々として霊の存在を語るとき、その話に自分が向ける感情は「羨望」だ。

...どうすれば、父ともう一度話すことができますか?