■ 星になれたら - 旅立つ後輩へ
またひとり、若くて優れた人材がわが職場を旅立った。
彼女は人望も厚く、看護師としての能力も抜きん出ていた。
看護師は「白衣の天使」と呼ばれるが、実は一般のイメージと現実の仕事内容がかけ離れた、非常に厳しいものだ。
人の生き死にと正面から向き合い、汚物を処理し、時には、苛立ちを抑えきれない患者の罵倒に晒される。
だから自分は、「看護師は天使じゃない」といつも思ってきた。
しかし、彼女は違った。
彼女はまるで、広く一般にイメージされる「白衣の天使」を具現化したしたような存在であると断言できる。
後輩ながら、尊敬できる看護師さんの一人だ。
そんな彼女に、
今度ごいっしょに、ぜひ。
とカラオケに誘われたのが1年以上前の話。
自分と同じくミスチル好きな彼女に、カラオケでBankBandの楽曲をデュエットしようと言われ、心が躍ったものだ。
あれからずいぶんと時間が経ち、彼女が職場を離れることになって、ようやく実現したデュエット。
歌いながら、鳥肌が立つのを感じた。
彼女の澄んだ歌声に、心が締め付けられるのを感じた。
彼女は、離職後に結婚するのだそうだ。
同時に、遠い都会へと引っ越していく。
さようなら。
ありがとう、そしておめでとう。
この歌を贈る。