■ アバウト・シュミット
ウォーレン・シュミットは保険会社を勤め上げ、定年となった。
これから妻と水入らずの第二の人生を、と考えていたところで妻が急死。
他人に影響を与えられるような偉人になりたいと願いつつ、それが果たせなかったシュミットは、自分の存在意義を探すため、思い出の地を巡る旅に出る。
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一人娘ジーニーがダメ男と結婚するのを止められなかったことを悔やみ、亡き妻に何もしてあげられなかったことを悔やみ、誰にも影響を与えられず死んでいくであろう自分の人生すべてを悔やむ。
絶望に撃たれるシュミットが、自身の存在意義を見つけたきっかけとは。
主演のジャック・ニコルソンのひとり舞台と言ってもいいほど、彼の演技が冴える。
熟練した名優が寂びれた孤独な老人を演じ、この作品の価値を高めている。
演出上、「寄り」のシーンが多いのだが、長時間のアップを見せられても不快感を感じないジジィってのも、すごい才能だ。
ラストシーンはホロリとする。
号泣ではなく、ホロリ。
だからいい。
枯れたジジィ名優に静かな感動。
秀作である。